ちょっといい話
ドモ・・・
今日はちょっといい話の紹介です。
「友人の話」
安佐南区緑井 濱 喜代子
近所のお好み焼き屋で顔見知りになり、今ではすっかり意気投合した友人がいる。私より一回り年上の女性だが、韓流グループの追っかけやライブに精力的に出かけ実に若々しい。
普段は明るい彼女だが、数年前にご主人を亡くされている。
50代になったばかりの男盛り、スポーツジムで倒れ、手術の甲斐なく1ヶ月後になくなったそうだ。急性心筋梗塞だった。
救急車で運ばれた安佐市民病院の担当医はとても誠実な医師で、手術後、回復するどころかみるみる悪化していくご主人の容体について、「手術の際に自分の見当が誤っていたかもしれない」と正直に妻である彼女に伝え、ご主人が亡くなった後も誠意を持って尽くしてくれたと彼女は今でも感謝している。
彼女のたった一つの後悔は救急車で運ぶ病院の選択を誤ったかもしれないということだった。「広島市民病院に運んでいれば助かったかもしれなかったって今でも後悔しとるんよ。」
それを聞いた私は、「あの頃の安佐市民病院の心臓血管外科だったら広島でも1、2の腕前のお医者さんがやってくれたと思うよ。安佐市民病院で間違いなかったんよ。」と私見に過ぎなかったがそう答えた。すると彼女は「そうだったん。ずっとそのことがひっかかっとったんよ。良かった。」と穏やかな表情を見せた。
その後ぽつりぽつりとご主人の入院生活について話し始めた。「亡くなるまでの1ヶ月間、容体は悪くなっていくばかりだったけど、手術室の看護師さんが気にして、時々のぞきに来てくれてくれた。ICUの看護師さんには本当にお世話になったんよ。主任さんも他の看護師さんも本当に良くしてくれた。男の看護師さんで、なんか病院の前のうどん屋の息子さんって聞いたけど、主人はとても信頼してお世話になっとたんよ。口に管が入っとるから話はできんけど筆談でその看護師さんの名前を指名してたんよ。」その男性看護師は体格が良く、誠実で適切なケアにご主人は安心感をいだいていたそうだ。
看護師として病棟で8年間勤務後、手術室に配属されて20年。手術患者のそばに寄り添ってはいたものの、術前・術後訪問に行く時間すら確保できない現場で手術に明け暮れる毎日を過ごしてきた。患者さんから手術室はこうだった、ああだったという思いを聞く場面はほとんどなかった。
友人の話は患者さんや家族の思いがリアルに伝わり、壮絶な現場で安心・安全の医療を提供すべくベストを尽くすスタッフが、患者さんや家族からの深い信頼を得ていることを実感した。そのことが病院のクオリティーのひとつとして評価されていると考える。
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